経鼻内視鏡検査で発見された早期胃癌です。画面中央に大きさ7mmの陥凹面があるのですがお分かりになりますか?
非常に小さく分かりにくい癌で、しかも死角になりやすい胃角部の前壁にありました。
内視鏡の基本操作を怠ったり、集中力が途切れたりしたら見落とされていた可能性も十分にあります。
この段階で発見できれば内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で根治することが可能です。
大腸内視鏡検査で発見された早期大腸癌です。上行結腸に大きさ1cmの陥凹面があり一部隆起を伴っています。
内視鏡的粘膜切除術(EMR)で加療を行い完全切除となりました。偶然腹部症状があり大腸内視鏡検査を行ったことが発見の契機となりました。
あと数年放置していたら間違いなく進行癌となっていたでしょう。患者さんも胸をなでおろしていました。
胃カメラの際にスコープが食道を通過するので、もちろん食道も詳しく観察します。
これは下部食道に大きさ2cmの不整な顆粒状粘膜があり、早期食道癌の内視鏡像です。
この患者さんはかかりつけの病院があったのですが、経鼻内視鏡を希望され私が検査を行いました。
最新の分光画像処理機能(FICE)を使用するとこのように病変の境界がより明瞭に描出されます。
かかりつけの病院で内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行って病変は完全切除となり、術後に患者さんから感謝のお電話を頂きました。
早期発見の大切さを改めて実感します。
これは大腸ポリープの内視鏡像です。S状結腸に大きさ1cmの亜有茎性ポリープがありました。
肉眼的には良性腫瘍ですが、これくらいの大きさになると内部から癌が発生してくる確率が高くなるため切除する必要があります。
このまま引き続いて内視鏡的粘膜切除術(EMR)を行いました。
ポリープを切除し傷口をクリップで縫縮しました。クリップは傷口がふさがると自然に脱落し便と一緒に体外に排出されます。
時刻表示が示すとおり一連の処置に要した時間はわずか4分でした。ポリープの病理組織は腺腫という良性腫瘍で癌細胞は含まれていませんでしたが
将来的には癌化していたはずです。ポリープ切除により大腸癌が完全に「予防」出来たわけです。