機神咆吼デモンベイン

(角川書店/ADV/PS2)


ここを読んでいる方ならご存じかとは思いますが、さらっと説明すると、このゲームは元々ニトロプラスから出ている「斬魔大聖デモンベイン」というPCゲームで、それをPS2に移植したのがこの「機神咆吼デモンベイン」です。
ちなみにこの作品アニメ化されていて、こちらのタイトルもPS2版と同じです。なので、Wikipedia辺りではこのPS2版ゲームは斬魔大聖の方と一括りにして機神咆吼というとアニメ版のみを指しているようです。

一言で言うならこの作品、「クトゥルフ神話を題材にしたスーパーロボットもの」です。
私がこれだけ端的に表現できる作品も珍しい(笑)

私がこの作品の名前を初めて見たのは秋葉原の中古ゲーム屋で、「ゲーム+アニメDVD」という発想がちょっと面白かったのと、中古で結構な値段がついていた(数年前だったので発売されてすぐだったのかもしれませんが)のでちょっとだけ印象に残っていたんです。

でもまあどんなゲームか知らないし、高い金を払ってまで欲しいとも思わずそれきりになっていたのですが、ニトロプラス作品に手を出している友達が持っているということだったのでちょっと借りてみまして。
といっても、借りてから暫くはやってなかったんですが‥‥。

で、何となくニトロプラス作品を幾つかやった後、その流れでとりあえず「次はデモンベインをやろう!」と心に決めて、さほど気乗りしないまま始めたら‥‥思いの外面白かったという(笑)

ということでよく分からないままスタート。
最初は何やら宇宙空間でロボット同士が戦っています。これが何だかよく分かりませんが、とりあえず片方が派手に負けてどこかの街に落ちた模様。
そこから視点は街に変わり、何やらちょっと退廃的な様なシリアスな出だしなんですが‥‥。

要は腹が減って死にそうだったと。

と、出だしから真面目くさっておいてギャグかよ!的展開。
この作品、最初から最後までこんな感じです(まあ最後は基本的にシリアスか)。
直前までシリアスだったかと思ったら、いきなりギャグ調に転じたり。
ギャグモードの時はかなり過激に攻撃されてもピンピンしているのにシリアスモードの時は結構深刻なことになったりと、「それっておかしくない?」と突っ込みたくもなりますが、そういうツッコミはしないのがこの作品(笑)
その辺が気になる人には、あまりこの作品は向いていないかもしれません。

と、いうことで晩年赤貧の情けない三流探偵、大十字九郎に突如もたらされた依頼は「魔道書を探す」こと。
魔道書の話を聞いた九郎の表情が変わったことからすると、どうも彼の過去には何やら闇めいたものがあるようです。
出だしで、たかり先のライカさんに大学の話を出された時も何かありそうでしたが、彼が大学を辞めたことはこの闇と関係がありそうですね。
ところでそれってことは九郎って二十歳そこそこってことですよね?
私通常版のパッケージを昔見た時、もっとおっさんっぽいイメージを持ってたんですよ。
あれって九郎が薬莢を咥えているんですが、どうも昔はあれが煙草に見えたらしく(^^;)アルも薬莢を手にしているから分かりそうなものなのですが、多分その時はそこまで見てなかったんでしょうね(^^;)
で、何かおっさん探偵(探偵というのは分かっていたらしい)と助手代わりのロリな女の子‥‥とか勝手に思っていたら大分違いました(^^;)

さて、九郎が魔道書を探していると、突然空から女の子が降ってきます。
まあ現実にはありえませんがマンガやゲームではよくある話。
その女の子の下敷きになるのもよくある話(笑)
ただ、「この大うつけ!」とか怒鳴りつけてくる女の子は多くはないかも。
私は基本的にロリっ子は好きじゃないのですが、アルはこの口調が幸いして(?)気にならなかったです。
見た目はロリでも中身はロリっぽくないもんなぁ‥‥(^^;)
問答無用で人を巻き込むアルと巻き込まれる九郎(笑)
このアルのワガママ(?)っぷりも普段の私なら腹立つところなのですが、何故かアルの場合そんなに気になりません。
九郎は可哀想といえば可哀想なのですが、あまりそういう気がしないというか、ギャグ調なせいかあまり悲惨な感じがしなくて(笑)
なおマギウス・スタイルになった後のちっこいアルが可愛くて仕方ありません(笑)

それにしても「悪の秘密結社」なんて今時言わないだろうくらいにお約束な敵がいたり、皆に「正義の味方」と言われるメタトロンなる人(?)がいたりと、最初から昔ながらのスーパーロボット的要素が満載です(その「正義の味方」が主人公のロボットではないところがちょっと違いますが)。

第2話になるとマスターテリオンなる敵の大ボスが登場します。
この人とにかく強い。

いくら九郎が未熟な上にアルの断片が揃ってないとは言え、生身で巨大ロボットと戦う人は、ドモン・カッシュとマスターアジア以外に見たことがありません。

そして、このマスターテリオンにこっぴどくやられた九郎は戦うことを決意します。
普通あそこまでコテンパンにのされたら絶望して逃げ出そうとか思いませんか。
さすがスーパーロボット系主人公(笑)

4話では、みんなが私をいじめる、と力を暴走させてしまったアリスンにかなり乱暴な説得‥‥というより説教を試みる九郎。クサいっちゃクサいのですが、私クサいの好きですし。
そして弱い物いじめはいかんと言いながらデモンベインでぶっ飛ばしてやるとか言い、アルに「言ってることが違うっ!?」とこっそり突っ込まれたりするのもご愛敬(笑)
しかしここのラストで何だか陰のあるっぽい雰囲気を垣間見せるライカさん。この人も何かあるようです。

5話になると天才科学者ドクター・ウェストが作った人型ロボット、エルザが出てきてますます大混乱(^^;)
更に偽物まで出てくる始末です。その名もデモンイン
「名前までバッタもんくせぇ!」(by大十字九郎さん)
私が前に某アニメの話で「ファントムペイン」の話をしたら、デモンベインを貸してくれた友達が「ファントム(ニトロプラスの処女作)+デモンペイン?何で彩ちゃんがデモンペインなんて知ってるの?」と言っていたのですが。
ここに来てようやっと彼女の気持ちが分かりましたよ(笑)

この辺までは勝手にデモンベインを起動しては街を壊しデモンベインをぶっ壊す九郎とアルに怒るばかりの瑠璃お嬢様です。
‥‥が、個人的には瑠璃はあまり好きじゃないので‥‥。
確かに祖父が残した、ブラックロッジに対抗する唯一の手段をどこの馬の骨とも分からん男と魔道書に好き放題使われたら堪らないし、瑠璃にしてみれば九郎やアルが本当に信用に足る人達か分からない訳で、気持ちは分かるのですが。
でもちょっと爺コンが強すぎ‥‥まあ、彼女の境遇を思えばそうなるのも分かるし、瑠璃ルートをクリアするとそれも納得できるというか許せてしまうのですが、この時点ではどちらかというと反感の方が強い私(^^;)

6話で九郎の戦いを見た瑠璃は考え方を改めるのですが、ここで襲撃された時の瑠璃の狼狽ぶりもなー‥‥いや、普通あんな状態で平然としていられる訳は無いですし、瑠璃みたいな反応の方が普通だとは思うんですが、相手がどんなに強かろうとどんなに劣勢だろうと立ち向かっていってしまう九郎を見ているだけに、やっぱりちょっと‥‥。
あとここは執事さんですね。ウィンフィールド強すぎます。
生身でデウスマキナと戦うマスターテリオンもすごいですが、魔術師でもないのにアンチクロスの魔術師と対等にやりあえるこの人もすごいです。
しかし、「ここは自分が引き受ける」と九郎を先に行かせるウィンフィールドですが、これ逆じゃないかと思うんですけど?
ここは九郎が引き受けてウィンフィールドは一刻も早く主の所へ駆け付けるべきでは?

さて、いつ瑠璃お嬢様にデモンベインを取り上げられるか、ドキドキしながらの序盤戦はこの辺で終了。
第7話は調査の為ビーチに行って‥‥遊んでますこの人達。
というかブラックロッジが遊んでます
九郎じゃないですが、どこに慰安旅行に行く悪の秘密組織がありますか。いやここにありますけど。

そして夜は悪酔いした瑠璃お嬢様に付き合わされ豪華なドレスを着せられたり、風呂に逃走したら今度は謎の美女ナイアさんに襲われたりと災難続きの九郎。
その後はアルが来て、ちょっとまったり目ないい感じ。
翌朝の遺跡調査でもちょっとしたハプニングがあり、2人の距離が近付いてる感じです。
一応アル寄りな選択はしてきたつもりですが(とりあえずメインヒロインっぽいし)、これはアルルート確定か?

8話はクトゥグアとイタクァの話で、選択肢もなければルートによって展開が変わることもなく、話も短くてすぐ終わります。
個人的にはクトゥグアの方が好きかな。

9話は記憶がないという謎の女の子エンネアが登場。
家事は完璧なエンネアですが、個人的にはこの子もあんまりなー‥‥。
アルとの2ショットで、マグ抱えてるアルが激可愛いです!vvv
‥‥なんて話は置いといて。
結局エンネアは戦いの最中に巻き添えを食らって死んだ‥‥と九郎は思っていますが、彼女の正体こそ最強のアンチクロス、暴君ネロ。
九郎に会ってみたくて顔を出したようです。

第10話にはクトゥルフが復活しシリアスな展開に。
いやどこまで行ってもシリアスになりきれないのがデモンベインなんですが(笑)
しかし術者も未熟で魔道書も完璧ではないとはいえデモンベインを生身でぶっ飛ばしたマスターテリオンが、デウスマキナに乗ってあんなにあっさりやられるのがちょっと納得行きません。
アンチクロス6人いたって、あのマスターテリオンがデウスマキナに乗ってやられるとは思えませんよ。
何はともあれ、マスターテリオンを倒したアンチクロスの矛先は一斉にデモンベインに向けられます。
まさかここでやられて終わりということは無いだろうけど‥‥と思いつつドキドキしながら見ていると、九郎は助かったもよう。
ここで主人公なりアルなりが新たな力に目覚めて‥‥なんて都合のいい展開ではなく、九郎を庇ったアルは酷い怪我を負い、そのまま魔道書に姿を変えてしまいます。
アルの死を嘆き悲しむ九郎。
でも、こうなったのは自分のせいだと、エンネアを守れなかったが為に戦いを恐れていた自分のせいでアルは死んだのだと、デモンベインも操れないしマギウス・スタイルにもなれないのに1人戦うことを決意します。
普通はこんな状態になったら戦えなくなるだろうと思うのですが‥‥とても辛いはずなのに、そしてこれだけ絶望的な状況なのに、それでも戦い続けようとする九郎がかっこいいです。漢です。
そして、こんな状況でも、ドクター・ウェストを担ぎ込んできたエルザと漫才ちっくな展開が繰り広げられる訳ですが(笑)
というかエルザがな。「体で払うロボ。エルザを好きにしていいロボ。ぽっ」とかやってますから。大まじめに(笑)

自分1人にできることなんてたかが知れてる、でもアンチクロスの1人でも道連れにできればと出て行こうとする九郎が目にしたのは、猛スピードで修復されていくデモンベイン。
そしてそこにいたのは‥‥

ドクタアァー、ウェストオォォっ!

と、いうことでブラックロッジに刺されて司令基地に運び込まれてきたドクター・ウェストが復活しています。
そして何でかデモンベインを直してくれています。
更に、アルがいなくても動かせるように、デモンペイン(偽物)の時に使用したエルザと連携するシステムを搭載してくれます。
今一つ信用ができなさそうな九郎に対するドクター・ウェストの嘆きが‥‥密かにネタなんですけど(笑)ニトロプラスの別のゲームの話をちらっと入れてるんですね。
ドクター・ウェストは訳分からん台詞を並べ立てるので、一つ一つ言及している暇もないのですが、密かに(?)ネタっぽい言葉が散りばめられています。
彼曰く、今はブラックロッジが敵であり、敵の敵は味方であるとか。
この後2人で腕をクロスさせるシーンが良いです。女性ファンにはたまりません。それともむしろ熱い展開を男性ファンが喜ぶのか‥‥?でも男の友情系はやはり女性ファン向け‥‥。

かくして復活したデモンベイン。
アルの力が無いのでパワーダウンは必至ですが、でも「魔を断つ剣」はまだ存在している。
そして自分も戦える。
そうやって戦い続ける九郎。
何でこんなに強いんだろうと本当に思ってしまいますよ。
これがアニメとかならアルが戻ってこない筈はないと思うのですが、何分この手のゲームだと自分の選択ミスでバッドエンド系に向かっているのでは?とか不安になってしまうんですよ‥‥(^^;)なので、本当にこのままかもしれないとか、つい考えてしまったりもする訳で。
ある意味九郎に感情移入してしまうと言うか。
そしてドクター・ウェスト&エルザとチアキさんの「無意味に元気」なコントが展開されていたり(笑)
本当に絶望的な中にもお笑いを忘れない人達です(笑)
そしてこの3人を「無意味に元気」と表現する九郎も人のことは言えない訳ですが(笑)
そして、頭が陥没しても元気に立ち上がるドクター・ウェスト、何でナイフで刺されたぐらいで倒れるのかと突っ込んではいけません(笑)

まあ、アルのモノローグが始まってからは彼女は生きている(?)と分かったのであまり心配はしていませんでしたが。
それより早く帰ってこいー九郎死んじゃうよー、とか思ってました(^^;)
アル復活劇の下りはちょっと引っぱりすぎかなー、という感もありましたが、アルの復活直前にどうにもこうにも動かないデモンベインに必死に訴えかける九郎が感動ものです(>_<)o
ここもホントに漢だなーと思います。伊藤健太郎さんの声がまた!(>m<)o
そして帰ってきたアル。
感動の再会です(T-T)

‥‥が。

何で復活早々漫才ちっくな痴話ゲンカ始めるかなこの人達は。

エルザのいるコクピットを見たアルの悲鳴を聞いて、呑気に「‥‥忘れてた」だし。
「妾のいない間に何をやっておったかあぁっ!」と怒鳴るアルに「てめぇ今まで死んでおいてその台詞は何だこの古本娘!」ってな九郎。
いや‥‥君たち、今まじめにまともに戦闘中だから。
瑠璃お嬢様とか人質に取られてるから。
挙げ句いきなり「いつもならこんな時あの人が助けてくれるんだが‥‥」とか余裕があるくせに他力本願だし!
それにメタトロンが助けに来るかどうかはアルの復活には関係ないと思うんだけど‥‥。

かくして最終決戦。
この辺りはまあさほど面白いこともなく、クトゥルーに突撃して残ったアンチクロスを倒していきます。
あれだけの武闘家であるウィンフィールドと死闘を繰り広げたティトゥスが何で九郎にあっさり負けるんだかちょっと納得行きませんが。
ここに来てやっとエンネアが生きていたことを九郎も知りますが、でもエンネアは戦いを挑み込んでくるばかり。
何度も戦って九郎はエンネアとの戦いを回避しようとして‥‥最終的に彼女の心を変えることは出来たのですが(こんなところでも世界が浸食されていることを一瞬忘れてエンネアと和む九郎がまた(笑)「ををぅ」じゃないよアンタ‥‥)、でも結局ネロは運命に抗えず。
彼女の命と引き替えに生み出されたのはマスターテリオン。
まあ、あれでマスターテリオンが終わるとは思いませんでしたけど。

というか、アンチクロスの集中砲火で死んでいた事の方が意外でしたけど。

結局ここでは決着が付かず、異世界への扉が開かれます。
飛び込んでいこうとする九郎に対し、今一つ躊躇いがちなアル。
何故かというと、あの扉の向こうはこの世界の常識など全く通用しない異世界。
一回扉をくぐればもう帰ってこられないだろうとのこと。
いきなりそんなことを言われたら、さすがに九郎も躊躇います。
一晩考えろとアルに言われて考えた結果‥‥この世界を守りたい、だから戦うと決めます。本当に熱血主人公です。
でも、そう決めた矢先に勝手に発進してしまうデモンベイン。
そんなことができるのはアルしかいません。
彼女を追い掛けようとする九郎ですが、デモンベインもないしマギウス・スタイルにもなれない状態でどうやって追い掛けるか。
そこへ登場したのがメタトロン。
かくしてメタトロンの力を借りてアルを追い掛けます。
最初にも書いたように、この作品、ギャグモードとシリアスモードのギャップが結構激しいです。
そして、ここは1人飛び出してしまったアルを追い掛ける九郎、という結構感動的と言えるシーンなのですが。
この追い掛け中でもシリアスとギャグがポンポン入れ替わります。

もう何で改造人間に過ぎないメタトロンが全速力のデモンベインに追いつけるんだとか、何で九郎は本気で攻撃を当てろとか言い出すんだとか、メタトロンの台詞じゃないですが何でメタトロンが(九郎に)命令されてるんだとかそういうことは突っ込んではいけません。

そしてあまりに強情なアルに業を煮やした九郎、メタトロンの背からわざと落ちます。
大慌てのアルとメタトロン、その一方でやけに冷静な九郎。
この余裕と落ち着きっぷりに、万が一の時に備えて何か用意しているのかと思ったらアルが来ると100%確信していたみたいですね。
おいおいという気もしますが、それだけ自信があったんでしょう。取り乱しまくるアルに対して落ち着き払っている九郎。(その前に予期せず落ちそうになって「死にたくないっ」とか騒いでいたのは何だったんだと思いますが、そんなツッコミも野暮というもので(笑))
Wikipediaのアルの説明で「ツンデレ」とあって、ツンデレは瑠璃の方だろうと思っていたのですがこの辺で納得。
ツンデレってそもそも女性キャラに使われていた言葉なので、私が今まで聞いていた(男性キャラの)ツンデレって本来の意味とちょっと違うことが多かったんですよ。
そうかこれがツンデレか!と納得しました(笑)
そしてツンデレな女の子はおよそタイプじゃないのに、そんなアルが可愛いと思っている自分がいる(笑)
ほんとアル可愛すぎですよ。
いつも振り回されている九郎に振り回しているアル、それだけにこういう時の「デレ」なアルに頼もしい九郎どっちもツボです(><)

かくして異世界の扉をくぐった2人、サイケでオカルティックな世界をくぐり抜け、マスターテリオンとの戦いが始まり‥‥これまたオカルティックな世界を色々と巡りますが、まあ何と言うか、正直この辺は分からなくても大丈夫です(笑)
クトゥルフ好きな人にはニヤリとしていただき、分からない人は「そんなすごい世界もあるんだなぁ」ぐらいに思っておけば。もちろん私は後者_| ̄|○

ちなみに異世界を飛び回っている時に変な情報が入ってきて意識が混濁している九郎に、アルが「汝は大十字九郎。(略)そして我が伴侶だ」みたいなことを言うんですが、それを受けた九郎の「どさくさに紛れて恥ずかしいこと言うねぇ、お前」みたいな台詞が好きです♪
アルって普段そういうことおよそ言わなさそうなのに、ここではさらっと言うし、九郎の受け方がまた余裕っぽくてラブラブなカップルだ!とか思って(*^^*)
もちろんアルルートじゃないとこのやりとりは出ません。瑠璃ルートでも同じ様なシーンがありますが、アルの「我が伴侶だ」という部分はカットされています。

さて、戦いのところは割愛しますが、全ての黒幕はナイアことナイアルラトホテップとのこと。
正直クトゥルフ全然知らない私でも、これ黒幕はニャルラトホテプじゃ?と思ったんですよ。
でも「ナイア」って名前にマスターテリオンが「そのままだな」っぽいことを言っていたので分からず‥‥そうか、ニャルラトではなくナイアルラトだったのね‥‥。
ちなみに、声で聞くと皆さん「ナイアルラ」で一旦切れて「トーテップ」って感じで発音してましたね。

「輝くトラペゾへドロン」を撃とうとする九郎を止めるアル。
どうやら九郎とマスターテリオンはこうやって何度も何度も繰り返される無限螺旋の中で何度も戦い続け、九郎は破れ続け‥‥今回やっとトラペゾへドロンを手にすることができたようです。
それこそが黒幕ナイアの狙いで、2つのトラペゾへドロンをぶつけさせ、その中に封印されていた外宇宙の神々を復活させようとしていたらしいです。
トラペゾへドロンを撃たないとすると、その目論見は失敗して、九郎とアル、そしてデモンベインはこの無限螺旋を断ち切ることに成功します。
ちなみにここでトラペゾへドロンを撃ってしまうと、ちょっと素敵な展開になります。
いや素敵でも何でもないバッドEDになります。

マスターテリオンの方は永遠の空間(?)で文字通り永遠を過ごすことになるのですが、今までのような絶望的な永遠ではなく、むしろ安心できるような空間のようです。
そして横にはずっと連れ添って(?)きたナコト写本、エセルドレーダ。
漸く彼女の想いも報われ、これからはずっと一緒に‥‥多分、2人満ち足りた想いで過ごすことになるのでしょう。

一方九郎の方も似たような状態。
まあ九郎も覚悟して飛び出してきた訳だし、最愛のアルが一緒にいるんだからそれでいいと。
プレイヤー的にはちょっと不満もありますが、でもまぁ2人幸せならいいかとも思った矢先。
激闘の連続に疲れ、一眠りする九郎を見つめるアル。
彼女は九郎を自分の戦いに巻き込んでしまったこと、彼の世界を捨てさせてしまったことに非常に罪悪感を覚えています。
本当はこのまま一緒にいたいけど、でもそれはダメだと思う一方、やっぱりそれでも一緒にいたいと思う気持ちもあって。

ここで選択肢です。

これはどう考えても九郎×アルなルートだし、カップリングEDは恋愛を貫け!ということで「一緒にいたい」を選択。
結局2人は様々な世界と時を旅し、新しい神となってナイアルラトホテップ等と戦っていきます。
アルはあまり変わらないけど、九郎はちょっと人間離れしたかな?かっこいいけど。
でも何か2人ともかなりシリアスな雰囲気で‥‥続編は今までみたいにおちゃらけた雰囲気にはできないんじゃ?とちょっと違った心配をしたり(^^;)
でも2人であの永遠空間にずっといる、というよりは救われている、すっきりしているEDでした♪

さて、「トゥルーEDも見たところで、残りのアルルートも見よう」と思い選択肢が出るところからロード。
トラペゾへドロンを撃つのは明らかにバッドだろうから、そっちを先にやろうと思い‥‥正解でした。
やったのが結構深夜だったので、これで終わったら非常に落ち込みモードになっていたところでしたよ(^^;)
詳細は割愛しますが、サイケでオカルトでちょっとホラー要素もあるような救いのないEDです。
毎日続くこの悪夢に耐えきれなくなるかその悪夢に縋るかの選択肢が最後に出ますが、続けても単なる無限ループ。
つまり終わらせるには、その悪夢を放棄することになりますが‥‥画面が真っ暗になってスタッフロールも出ません。
この作品で唯一スタッフロールが出ないEDです。

で、今度は九郎を帰すEDにトライ。
九郎を帰そうとする時の辛そうなアルがまた。
マスターテリオンがこの「永遠」の中でエセルドレーダに会った時(少し上に書いた話です)に、「ここは1人でいるには少々寒い、だから2人一緒にいるのも悪くない」というようなことを言うんですね。で、今度は九郎を帰したアルが「ここは1人でいるには少々寒いな‥‥」って、すごく辛そうに悲しそうに言うのが切ないです‥‥。
でもそれ以上に、眠っている間に勝手に帰される九郎の悲痛な叫びがまた切ないんですよー‥‥(T-T)
元の世界に戻ってきた九郎。
無限螺旋を断ち切ったことにより、ブラックロッジなんていなかったことになっている世界。
第1話と同じ「要は腹が減って死にそう」な展開がまた始まっているのは置いておいて、九郎はミスカトニック大学に復学することにしたらしいです。
そうやって毎日充実はしているけれど‥‥でもアルがいない。
まあ、想像していた展開です。
こうして切なさを残したまま終わるんだろうなと思っていたので。

が、何だか話が終わらずに続きます。
この世界でも何でか瑠璃が依頼に来たり。
これは九郎の知らないことですが、怪奇現象が起きたら大十字九郎を訪ねろと、覇道鋼造氏が言っていたらしいです。
でも、鋼造氏がそう言ったのは何年も前の話、九郎が探偵業など始める前のこと。
何で分かったんだろうとウィンフィールドも瑠璃も不思議がります。
後述しますが、無限螺旋の中にいた時は鋼造=九郎ということになるのですが、この世界ではそんなこともあるはずが無く‥‥どうやらアルが入れ知恵をしているようです。
瑠璃の依頼をこなそうと怪奇現象の起きている場所へ行った九郎。
そこにいたのはアルの断片、アトラック=ナチャ。
そのまま彼女を追い掛けていくと、ミスカトニック大学に行き着きます。
更に進んでいくと、そこは大学の閲覧室。
かつて九郎はここに立ち入り、ここで出会った怪異が原因で魔術の道を捨てた訳ですが。
そこへ聞こえてくる声。

「まだ早い」

今の九郎には分かっています。
九郎がかつて閲覧を許された魔道書ネクロノミコン。
ミスカトニック大学にはラテン語版しか無いと思われていましたが、そこにいたのはネクロノミコンのオリジナル。
つまり、アル・アジフ。
漸く巡り会えた2人。
人を散々巻き込んだ挙げ句勝手に元の世界に帰してしまったアルを赦さない、もう絶対放してやらないと言う九郎がまた幸せそうで(>_<)o
「良かったね」と言ってあげたいです、ホント。
まさかこんなハッピーなどんでん返しがあると思いませんでしたよ!(まあ私はいつも展開が読めずに制作者に踊らされるクチなんですが_| ̄|○)

それにしても、若かりし鋼造の前に現れ、助けてやる代わりに言うことを聞けというような事を言っていたアル。
ということは、彼女はずっと前から(数十年くらい)九郎がやってくるのを待っていたということですよね?
そして、九郎がミスカトニック大学を辞めた話がこの世界に残っているということは、多分大学を一旦辞める前にやっぱり九郎はあの閲覧室に行っているんですよね。
悲しすぎるほどの別れの後、何十年も待って‥‥やっと九郎の姿を目にした時どれだけ嬉しかったことか。
やっと会えたのに、それでもまだ早すぎて、姿を見せることすらできなかったのがどれだけ辛かったことか。
そして、やっと本当に九郎と再会できた時には本当にどれだけ嬉しかったことか。
そう考えると、ずっと待っていたアルが健気で可哀想で、いじらしく思えてしまいます。
‥‥私の勝手な想像ですが。

トゥルーじゃなくても私はこっちの方が好きだけどなぁ。
と思っていたら。
友達に「そっちがトゥルーEDだよ」と言われました。

‥‥なんとおぉっ!

どこかで見た続編の紹介で、「異なる世界に行った二人」みたいなことが書かれていた気がして、すっかり勘違いしてました‥‥。
それならあのどんでん返し的展開も納得です。

ただ、ちょっと納得が行かないというほどではないのですが、それってことはシナリオライターの方はあそこで九郎を帰すべきだと思ったってことですよね?
そっちが正しいと思ったからトゥルーにしたはずで。
九郎は元々彼の世界から来た訳で、だから彼の世界に帰すべきと言うアルの考えは分からなくもありません。
そして、彼女が自分の想いを断ってでも、自分がどんなに辛くても、九郎のためを思ったからこそああいう行為に出たというのも分かるには分かります。
でも、それなら九郎の気持ちはどうなるの?って思ってしまうんですよね。
元の世界に帰れない、それでもアルがいればいい、そう思って九郎は異世界に行くことを決意した訳だし、必死になってアルを追い掛けた訳で。
そこまでしてアルと一緒にいたいと思った九郎の気持ちはどうなるんだよ!と思ってしまう訳で。
うーん‥‥男性側からすると、そういう健気な女の子の方がいいのかなぁ。

さて、1周目は自分が一番良かれと思った選択で行ったので、今度は真逆で行ったらどうなるかということでチャレンジ。
瑠璃の依頼を断ったりアルを見捨てたり、誰にも優しくない展開で‥‥行き着いたのは瑠璃ルートでした。何でか。

実は2周終わって漸く気付いたのですが、キャラEDの分岐は7話なんですね。
お風呂に逃走した九郎の元に(ナイアさんが去った後に)来たキャラがヒロインです。
翌朝島に流れ着いた時、そのヒロインと行動を共にすることになります。
1周目は普通にアルと2人で流れ着いて、この2人はいつも一緒だから全く疑問も感じず気付きませんでしたよ(^^;)

8話のクトゥグアとイタクァは同じですが、9話の出だしが何だか違います。
これ未読スキップが無いから、つい読み飛ばしちゃうんですよね‥‥。
どうやらマスターテリオンと覇道鋼造が戦っているようです。
しかし敵うべくもない鋼造氏。
ここでマスターテリオンに殺されてしまいます。
それまで、瑠璃の両親がブラックロッジのテロで殺されたとは聞いていましたが、鋼造氏がどうして死んだのか触れられていなかったので、こんなことになっていたとは。
マスターテリオンが「本当の名で呼ぼうか」と言っていたのがちょっと気になりますが、やっぱり鋼造氏は何か時空を超えたような人みたいです。

なんて深刻なプロローグから一転、本編は前半は超ドタバタです。
瑠璃が九郎に恋してしまったもよう。
それを覗き見るメイドさん達を見付けるウィンフィールド。
もし九郎と瑠璃が結婚でもしようものなら‥‥戦う総帥を想像し、一気に燃え出します。
いや私、どこかでチラッと「瑠璃ルートだとウィンフィールドと瑠璃を取り合うことになる」というのを見て、略奪愛が嫌いな身としてはそういう意味でも瑠璃ルート嫌だなって思ってたんですが‥‥。

執事さん、めちゃめちゃ乗り気ですよ。

かくしていきなりかなり暴力的な手段で拉致られ、拘束服まで着せられる九郎。
‥‥いや、普通これ死んでないか?
九郎、扱い酷すぎじゃないか?
まあ、この辺は超ギャグモードで展開されていきます。
すなわち上に書いたようなツッコミは厳禁です。

さて、超強引な展開で映画を見に行くことになった2人。
ここで、ウィンフィールドがどんな映画のチケットを渡したかの選択肢が出ます。
これからの行動ではなく、過去の行動に対する選択肢です。もうチケット渡しちゃってるのに、過去のことなのにここで決まるのか!とちょっとだけ衝撃でした。
ベタなのはホラーか恋愛ですが‥‥ここは敢えてアクションで
確か某ラジオで某鳥海勝美さん(全然「某」じゃない)が、映画の選択は気を付けないと‥‥と言っていたのを思い出し、ベタに行かない方がいいかなと思いまして。
結果的には当たらずとも遠からず、と言ったところでしょうか。
3パターンとも試しましたよ。
アクションだと、2人で「この戦い方使える!」とかちょっとずれた方向にウケます。
ホラーだと、普段こういう敵と戦ってるよねぇと2人とも今一つ盛り上がりません。
恋愛ものにすると、「大十字さんが寝ちゃうじゃないですか!」とメイドさん達には言われますが‥‥

むしろ夢中になって見ていたのは九郎の方でした(笑)

で、あまり恋愛ものに興味の無かった瑠璃お嬢様、思いっきり感情移入している九郎に惹かれている模様です(笑)
3パターン試した結果、結局恋愛ものを選択することに。

その後のアイス騒ぎは私もちょっと瑠璃可愛いとか思ってしまったりも。
まあ、どっちかというと瑠璃を可愛いと思っていたり彼女を思いやっている九郎に胸きゅん(死語)なのですが(^^;)

さて、アルルートだとアルが消えてしまう10話ですが、どうなるんだろうと思っていたら今度は瑠璃を庇って九郎が深い傷を負ってしまいます。
まぁ九郎は主人公なので最後まで死なない(死ぬとしたら最後だろう)と思うので心配はしませんが、それでもハラハラしてしまうもの。
でも、アルがいない時に絶望的な状況でも戦おうとする九郎は強い人だなと思ったし惹かれたものですが、こちらの瑠璃は‥‥。
ということでこの辺は割愛。
瑠璃を責めるアルが‥‥いつもの私なら(−−;)とか思いそうなものなのですが、何故か「そっか、九郎のことをそれだけ想ってるんだな」とむしろいじらしく思えてしまったり。
しかし九郎と契約しているアルが何で瑠璃にも力を貸せるのかが不思議ですが、この作品細かいところは気にしてはいけないと思っているので(笑)

九郎がどうやって復活するのか気になりましたが、闇に染まって肉体的には一瞬で元気になりましたね。
その代わり闇に染まった九郎を元に戻すのに苦労しましたが‥‥この辺もちょっとくどかったかなー‥‥。
そして、今までは九郎がミスカトニック大学で出会った「怪異」はアルだと思っていたのですが、何やら怪しい山羊みたいな人が出てきます。
‥‥正直なところ、結局九郎が何をそんなに恐怖に思っていたのか今一つ分からず(私はそれまで、ネクロノミコンのオリジナルたるアル・アジフの魔力(威圧感)に九郎が理屈じゃなく感覚的な戦慄を覚えたんだと思っていたので、逆におどろおどろしい描写をされると、逆に言葉で説明されてもピンと来ないというか)、ダンウィッチの事件というのもどういうものなのかさっぱり分かりません(まあダンウィッチの話はクトゥルフ神話を前提とした、本編とは関係ない話なんでしょうけど)。
ただ、ここで復活して二刀流に剣を構えている九郎のイラストはお気に入りです♪一番好きなCGかも。

さて、九郎復活後の話はちょっと端折って異界への扉が開かれた後。
扉の向こうの異世界に行ったら二度と会えない。
九郎は誤魔化して旅立とうとしますが、そんなこと瑠璃にはお見通しな訳で。
それでも帰ってくる‥‥と言って九郎は去ります。
マスターテリオンとの戦い自体はアルルートと同じ様な感じですが、このルートだとエンネア出て来ないしトラペゾへドロン無いじゃん!と思ったら予想通り‥‥結論としては、彼等は無限螺旋から抜け出すことはできません。

そして待ち続ける瑠璃。
でも九郎は帰ってこない。
1年待って‥‥もう待てなくなりそうになって、そこへ突如現れるアル。
彼女は九郎の記憶だけを託して、消えてしまいます。
その記憶とは覇道鋼造との出会い。
覇道鋼造は、実は若かりし頃に客死していたと。
そして、その場に居合わせた「時の旅人」(多分)九郎は彼の最期の頼みを聞き入れ‥‥覇道鋼造に成り代わります。
鋼造が愛したという女性の子供に会いに行き、彼に父親だと名乗る鋼造=九郎。
そうして彼は、自分の知る歴史の通りに投資をし、覇道財閥を作り‥‥デモンベインを作り。
覇道鋼造が時を越えたような洞察力を持っていたのも、怪人じみた力を持っていたのも、その正体が九郎だったから。
瑠璃の両親に対し、鋼造氏が負い目を感じていたように見えたのは、瑠璃の父が自分の本当の息子ではなかった(彼は客死した本物の鋼造の息子なので)から‥‥そしてそれよりも、彼がブラックロッジのテロによって殺されることを分かっていながら、何もできない(できなかった)からなんでしょうね。
そんなこと等を考えると、鋼造氏(に成り代わった九郎)がどれだけ辛かったことか‥‥切なすぎます(T-T)
そして、瑠璃があれだけ「お爺様大好き」になるのも許せてしまいます。

しかしCG回収は全然できてないし、明らかに瑠璃に冷たい選択とかもしてしまっているのでグッドEDがあるはず!と思ってやり直したのですが、良かれと思う選択肢を選んでも同じ展開になっているもよう。
えぇえこれでダメなの!?とスキップしまくっていたら、正にEDに突入しようというところで選択肢が!
えぇえ!?前の文章読んでないから分からないよ!と必要以上に大混乱(バカ)
結局瑠璃の根性でアルを呼び戻し、契約をして無限螺旋を断ち切ることに成功します。

そしてEDは、マスターテリオンもいなくてブラックロッジもいない世界。
何故か他の2人のルートと違い、瑠璃ルートでは九郎も戦いの記憶を失っているようです。
まあ、記憶を失った2人がまた巡り会い、そこから新たな物語が始まる‥‥悪くない終わり方です。

でも、これだとアルが可哀想で。
アルルートだと瑠璃は九郎に一定の敬意を払うようにはなりますが、それはあくまで「同志」という意味であって、別に恋愛感情を持っているようには見えません。ライカさんしかり。
でも、アルはこのルートだと明らかに九郎に恋愛感情を持っています。そして妬きます。ヤキモチ焼きは好きじゃないんですが、これまたアルは何故か可愛く思えてしまう(笑)
そしてアルがどんなに九郎のことを思っていても、九郎の心は瑠璃にある‥‥と、ナイアが言葉巧みにアルを陥れようとしますが、グッドEDだと彼女は「瑠璃と堂々と勝負する」みたいなことを言ってのけます。
‥‥でも瑠璃ルートだとやっぱり九郎×瑠璃な訳で‥‥アルは1人記憶を抱えて生きていくんでしょうか。それもなぁ‥‥。

さて、アルと瑠璃と来たら、残るヒロインはライカさん(まあ実際にはライカルートの後に瑠璃グッドEDを見たんですが)。
アルと瑠璃に冷たくしてライカさんに偏るルートを選べばいいので、さほど難しくはありません。
ちょっとかっこよさげなお兄さんが出てきた時には、この期に及んで美形な新キャラ?と思いましたが(笑)
でも1枚絵とか正体が分かる前はかっこいいのに、正体が分かってからの絵は今一つなんだよな‥‥。
あとこのルートだと暴君が9話にして死んでしまいます。え?
クトゥグアとイタクァの銃は他のルートだと暴君がくれるのですが、このルートだと彼女から直接奪い、デモンベイン用の大きい方は何と自分で錬成(?)してしまいます。

そして第10話、アルルートではアルが犠牲になり、瑠璃ルートで九郎が犠牲になり‥‥もう犠牲になる人いないんじゃ?と思ったら今度はデモンベインが消えました。
そしてメタトロンの正体がついに分かります。

‥‥ライカさん?

いや、もしかしてそういう事もあるかな〜、とか思ったのですが、この2人同時に存在していたことがあった様な気がして。
それに、あまりにイメージ違いすぎるし‥‥私ゃ九郎が「‥‥ライカさん?」と言った時、ライカさんのそっくりさんかと思いましたよ(笑)
ネットで他の人の感想を見た時、メタトロンモードのライカさんの方が好きと書かれていて、友達も同じ事を言っていました。
そして私もそう思います。メタトロン時の方が美人ですよね。
まぁあの間抜けそうなライカさんがカムフラージュになっているのかもしれませんが。
で、彼女‥‥メタトロンの正体はブラックロッジの研究所で魔導兵器としての実験を施された改造人間。
そして、彼女を執拗に付け狙う黒い天使、サンダルフォンは同じように改造された彼女の弟リューガだということが分かります。
そして、ライカさんはブラックロッジを脱走する際に彼を殺したのだと教えてくれます。
でも、これはもう少し後の回想シーンで分かることなのですが、別に彼女は自分だけが逃げ延びるためにリューガを殺したのではなく、リューガが助けに来た時に、彼女は言わば自我を封印されていた状態で、自分の意志とは無関係に力を振るっているんですよね。
だから、ある意味仕方がないというか。
しかしサンダルフォンのことを「死者」として扱っているのですが、マスターテリオンみたいな存在はさておき、デモンベインの世界でも死者を蘇らせることはできない(ゾンビはいますが)と思うのですが‥‥私がプレイした感じでは、メタトロンが殺したのを生き返らせたのではなくて、メタトロンの攻撃により瀕死になったリューガをウェスパシアヌスがサンダルフォンにしたように思うのですが。

ちなみに消えたデモンベインは、ブラックロッジに回収されていたそうで敵として出てきます。
‥‥あっさり九郎とアルに奪い返されますが。
そういう可能性を考えないんですかねブラックロッジは。
普通に考えたら、ここは修理して敵にけしかけたりしないで破壊するべきでしょう。
アルルートや瑠璃ルートと比べると、この辺は今一つインパクトに欠けるかなといった感じです。
このルートだとfeatureされてるのはメタトロン=ライカさんですしね。

そしてこのルート、他の2つのルートとは違う独自の展開を見せます。
まず暴君が早々に死んでしまっため、「Cの巫女」には他の人が当てられます。
すなわちメタトロン。というかライカさん。
そして、ラスボスはマスターテリオンではなく、何とずっとメタトロンを付け狙っていたサンダルフォン、というかその正体であるリューガ。
ナコト写本まで取り込んで、リベル・レギスに乗ってしまいます。

ハッキリ言ってこのルート、マスターテリオン形無しです。

ということで、他のルートのマスターテリオンと戦うような感じで、リューガと戦います。
他のルートでは、マスターテリオンが叫ぶような必殺技をリューガが叫びます。
マスターテリオンの性質上、無感情なキャラなので仕方ないのかもしれませんが、リューガの叫びの方がよっぽど熱いです。
さすが熱血キャラの(得意な)檜山さんだなぁ、と思ってしまいました(笑)
いやこの作品に関しては伊藤健太郎さんも負けていませんが。

ライカさんルートは1本のようで、アルルートと比べるとあっさりしている気もしますが、とにかく無限螺旋は断ち切れるようです。
そしてやはりマスターテリオンのいない、ブラックロッジのない世界に帰ることに。
でも、ここで九郎はアルに1つ願い事をします。

それは、今までの出来事について九郎の記憶を残しておくこと。

誰も覚えてないなんて、そんなのあんまりだと。
だから自分だけでも覚えていたいんだと。
でも、それってこのルートだと辛いことで。
自分にとって最愛だった人‥‥その人は目の前にいるのに、でも相手にはその記憶がない。
九郎が無限螺旋の中でライカさんのことをどんなに想っていても、その事実はこの世界では無かったことになっていて。
「こういうことがあったんだ」と言ったところで信じてもらえるとも思えませんが、九郎はそれを口にすることなく、自分の中にしまい込んで生きていく訳です。

このEDって、九郎視点じゃなくて、最初はライカ視点で話が進んでいくんですよね。
で、九郎の態度が何かちょっと陰がありそうで、あれ?と思っていると九郎視点に移動して。
そこで初めて、九郎がアルに何を頼んだのかが分かるようになっていて‥‥切なさもひとしおです(T-T)

ところで、メタトロンの正体が分かった辺りで「ライカさんとメタトロンって同時に存在してたような」と書きましたが、これは勘違い‥‥というか騙されました。
私が「同時にいなかった?」と思ったのは4話と12話(ライカさんルート以外)なのですが、まず4話はちゃんとライカさんとメタトロンは入れ替わりで現れていて、かぶるような事はありませんでした。
ちゃんと、ライカさんが避難してからメタトロンが現れています。

やられたと思ったのは12話。
ここでは、アンチクロスの襲撃を受けて、アルルートなら九郎、瑠璃ルートならアルやエルザ達が戦っていると、ティベリウスの魔の手がライカさんとガキんちょ達、そして警部さん達に伸びてきます。
そしてアリスンが正に殺されようとする、そこに、メタトロンが現れます。
最初に見た時には、皆のピンチにメタトロンが駆け付けたんだと思っていました。
でも、文章をよく読んでみると、「登場した」とか「駆け付けた」とは書いていないんですよ。
「現れた」と。
ということは、メタトロンが他の所から来たのではなく、その中にいる誰かが「メタトロンになった」とも取れる訳です。
(これは瑠璃ルートの話です。アルルートだと言い回しは違うかもしれません)
そして、ティベリウスが「アンタが‥‥」とか呟いた後、2人は戦いを始めてしまい、そのまま話が流れていきます。
ここで、ライカさんも子供達も警部さん達も一言も台詞を発していません。
普通なら、メタトロンが「逃げるんだ」とか言ってライカさんが「はっ‥‥はい、さあみんな」とか言って子供達を促したりするんじゃなかろうかと思って、1周目はこのうやむやになっているところがちょっと気になったんですよね。
でも、ライカさんがその場で変身したのなら、メタトロンになっている以上いつものライカさんが発言できる訳も無いし、子供達や警部さん達が口を開いたら驚きや疑問の言葉になってしまうでしょう。
だから、敢えて彼等の台詞は落としている。
ちょっと不自然なところはありますが、でもここは巧いなと思いました。
クトゥルー突入前に九郎が様子を見に行った時、子供達がよそよそしかったのは、ライカさんが「このことは九郎ちゃんには秘密だよ」とか言ったんじゃないでしょうか。

しかしこうやって全EDを見ると、やっぱりこの作品のトゥルーEDはアルルートなんだなぁと実感します。
でも、他のキャラのルートをやらないと裏の事情が分からない。
瑠璃ルートをやって、覇道鋼造がどういう人物なのか分かると、彼を見る目が大分変わってきますし、メタトロンの正体が分かると、やはり見る目が変わってきます。
他の人の感想を見ていたら、お勧めの攻略順はライカさん→瑠璃→アルらしいです。
ライカさんと瑠璃は逆でもいいけど、アルはとにかく最後がいいと。
確かにその気持ちも分かります。
でも、瑠璃やライカさんのルートはやっぱり裏事情を書いているような印象を受けるので、まずはアルルートで全体像を掴む方がいいような気もするんですよね。
なので、本当は、アル→瑠璃→ライカさんとやって、最後にもう1回アルルートをやるのがいいんじゃないかなと思います。
これまた瑠璃とライカさんは逆でもいいのですが、ライカさんはちょっと独自ルートなのでアルルートの後に瑠璃ルートで本筋の裏話(と言うか覇道鋼造関連ですね)を知ってから、ちょっと脇道に逸れて全部分かった時点でもう1回アルルートを‥‥というのがいい気がします。ただ、同じ話を2回読む気がするかという話もあるのですが。

正直言うと、何度か書いているようにこの話結構アラがあるような気がします。
特に輪廻っぽい話というのはおかしな部分がポロポロ出てくるもの。
他のサイトさんで、一番最初の鋼造氏はどうやってデモンベインを作ったんだろう、というのもありましたし、ずっと同じ事を繰り返していることをマスターテリオンとエセルドレーダ、あとナイアは分かっているようですが、他のキャラは分かっていないんでしょうか。
何かアルが分かっていないのがちょっと不思議な気がします。外なる神々(?ナイアさん?)の検閲が入っていて毎回思い出せないんじゃないかとは思うんですが。

でもまあ、そんなことはいいんです。

某マンガで「伏線に拘っていては少年マンガは書けない」という言葉が出てきますが、細かいことに拘らなくても面白ければいーんです!(待て)
そもそもシリアスとギャグのオン・オフの激しさと言い、破壊ロボットの設計と言いドクター・ウェストの存在と言い、細かいことを気にしていてはこの作品は楽しめません(笑)
PC版のサントラに「(デモンベインの世界は)トンデモでデタラメでメチャクチャで荒唐無稽です」と書いてあるぐらいですから

と、一通りのルートについて書いたところで総括を。

一見ありがちそうでオーソドックスな要素が散りばめられているのに、全て組み合わせると意外に新鮮。
オカルトとスーパーロボットという、かけ離れていそうな2つの要素を融合しているところが巧いです。
私が寡聞なだけで結構あるのかもしれませんが、でも魔法と組み合わせたロボットものってどっちかというとリアル系ロボットな気がします。
魔法とかオカルトとかって、どっちかというと「闇」というか陰っぽい話で、その主人公がロボットに乗ることはあっても、スーパーロボットバリバリの熱い展開を見せてくれることはあまり無いかと(^^;)

あとはキャストが豪華です。
女性キャラの声優さんは知らない方ばかりだったのですが、男性陣というかブラックロッジの皆さん、かなりの大御所さんが演じていらっしゃいます。
正直言って、最近あまり上手じゃない方々も多いのでそれに慣れてしまい、あまり上手い下手が分からなくなっていたところもあるのですが‥‥やはり上手な人がやるとこうも違うんだ!というのを実感しました。
ヒロインキャラの声優さん達も、別に下手と言うことも無かったですし。
こう言ったら何ですが、人気のある声優さん=上手な声優さんとは限らなくて、なので人気声優を集めればいいかというとそういうものでもなく‥‥。デモンベインは、「今を時めく」(死語?)人というより本当にベテランというか実力派な方が多くて。
‥‥まあ、デモンベインも皆が皆上手!とは言えないのですが‥‥。

あと上手い下手ではないのですが、私の場合「この声いいな」というのが結構ありました。
特に九郎役の伊藤健太郎さん。
お名前は知っていましたし、キャラも何人か知っていたのですが、何故か九郎の声は違う気がします。
ギャグ系なノリも自然だし、熱い時は本当にかっこいい。
でも伊藤さんが演じている他のキャラの声をいくら聞いても九郎に聞こえないんですよね‥‥不思議だ。
後はドクター・ウェストの山崎たくみさん。
私ドクター・ウェストを見た時に、これは難波圭一さんしかない!と思ったのですが(笑)
難波さんの他にあの手のキャラがあんな風にできる人がいようとは‥‥。
しかも、山崎さんは私の中ではどちらかというと少年系のイメージだったり、割と普通の人なキャラのイメージがあるので、あんな芸をお持ちだとは思いませんでしたよ。
女性陣も、アルの声も可愛いと思うし。
瑠璃はあまり好きではないのですが、瑠璃の声は結構好きだったりしますし。
クラウディウスもキャラ的にはムカつくんですが(悪口ではないですよ?)、声は結構いいなと思いますし。

‥‥あ、同梱のアニメDVDに触れるのを忘れていました(^^;)
ゲーム内のアニメが個人的には「‥‥‥‥‥‥」な出来だったので期待はしていなかったのですが、こっちの方が作画は良かったかなと。
ちょっと面白かったのが、アニメDVDの方だと主人公は新聞記者の女の子で、九郎を外側から見るような感じになっているところ。
いつも九郎側の視点なので、一般人(?)の視点で描かれているのが面白かったです。
‥‥まあ、何か中途半端なところで終わってしまって、今一つ何がしたかったんだろうという気もしますが‥‥。

総評としては、とにかく最初の印象と随分違った作品で、ほんと、予想外に面白かったという感じです。
いや‥‥まさか貸してくれた友達がスーパーロボット系な話のゲームをやるとも思わなかったし、ニトロプラスがそんなスーパーロボット系な作品をやるとも思わなかったし。
してやられたという感じです。
何かニトロプラスの作品って、自分で買った物より人から借りた作品の方が面白いんだよなぁ‥‥。

オカルト系な話が嫌いな人にはちょっと向いていないかもしれませんが、それ以上にスーパーロボット系が好きな人には是非オススメですよ!
オカルト部分はあまり理解できなくても、スーパーロボット系の熱いノリが好きな人ならその部分だけで楽しめると思います。
私もこの作品やってからクトゥルフ神話関係の文献を読んでみましたし。

最後に余談ですが、「スーパーロボット」の話を。
まあデモンベインの場合ジャンルとして「荒唐無稽スーパーロボットADV」とか言っているのでそれでいい気がしますが、意外に通じないこの言葉。
やはり「スーパーロボット大戦」が有名すぎるようです。
というか、スーパーロボットというジャンル(?)自体あのゲームから生まれた言葉なんじゃなかろうか。

で、何でこんな所でスパロボの話をするのかというと、デモンベインがいかにもスパロボに参戦させられそうな作品だからです。というか、すっごく想像できます(笑)
ということで以下はスパロボネタになります。スパロボシリーズのネタバレはありませんが。

まずデモンベインはパイロット固定で九郎。サブパイロットにアル。
九郎の精神コマンドは熱血は当然として、後はスーパーロボット系の基本、必中・閃きとか持ってるんでしょうか。あとド根性は持ってそうです。あと特殊能力で底力(シリーズによってはガッツ)。
アルは絶対脱力持ってて欲しいです。発動したらハロではなくダンセイニがぴろぴろと飛んで‥‥(それは流石に無理だろう)

そして一度は生身のマスターテリオンが出てくるに違いありません(笑)
そしてきっと、序盤は毎話のように出てくる破壊ロボットを何度も破壊するに違いない(笑)
10話でアルが抜けている間は一時的にエルザがサブパイロットになって、実は精神コマンド的にそっちの方が優秀だったりして、攻略本に「できればずっとエルザで行きたい」とか書かれたりして?なんて考えてしまったり。
で、アルがいない間九郎とエルザは協力して戦う訳ですが、これがスパロボだと「アルがいない状態だとデモンベインは役に立たないので、3ターン目に味方援軍が出るまで逃げ回ること」なんて攻略本に書いてあったりして‥‥。

戦闘BGMは機神咆吼ッ!デモンベイン!で決まりでしょう。

‥‥と、勝手に妄想してしまいました(^^;)

 

<評価について>

ゲームと言っても選択肢も少ないし、ほとんどゲーム的な要素はないので、結局キャラとストーリーが好きになれるかが、この作品のほぼ全てです。

システム面で不便なところはあるのですが、作品の性質上多少システム上不便でもあまり問題はないかと思うのでこの点では評価を下げていません。
九郎のキャラは割とツボですし、アルも可愛いしこのCPも好きだし、本当に思いの外気に入ってしまいました。

お勧め度としては、基本的にいつもはゲームのとしての完成度、取っつきやすさ等を考えるのですが、上に書いたように、この作品はキャラとストーリーが好きになれるかがほぼ全てであり、その辺はもう好みによるかと思うので難しいところです(^^;)
とりあえず、スーパーロボット系のノリが好きで、シリアスの中にギャグが入っても平気な人にはお勧め度Aですが、そうでないと‥‥ということでこの程度です。

 

(2008/02/13)


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